5日目
"最後"の火曜日に何もできなかったことがとても悔しい。
いつもの時間からは、延べ14時間近く遅れての更新となります。
言い訳というわけでもありませんが、今の今まで私は闘っていました。
私の殺人欲求を「十二分に満たしておいで」と神が告げんとばかりに、大量の暴徒が私の前に立ちはだかったのです。なんだか変なことを言っているようですけれどね。
本当なら、中学時代の「憤怒」を元にした話でもしようかと思っていました。iraであり、wrathのお話を。端的に言えば、あの時の私はとても怒りっぽかっただけのお話で、それによって色々なものを密かに破壊しまくっていただけの、なんとも子供っぽく幼稚さにあふれるお話でした。
今回はそのお話とは違う、今の今まで起こっていたことを書くわけですが、ああ、でも憤怒に変わりはありませんね。今思うと、中学の時とはそれほど変わりなく、私は怒りっぽかったようです。
私は住んでる家の土地関係から、いつも帰り道は一人になります。それも夜の暗い道で、電灯もまばら。
で、私が気配を感じて、近くの電灯の真下で立ち止まると、
なんだか集団のようなものが、ひとつ先の電灯の灯りに照らされて佇んでいました。
色々な人がいて、色々なものを持っていました。鉄パイプとか、鍬とか。田舎だからかもしれませんが、なんだかそれは一向一揆をする農民の亡霊じゃないかってくらいには滑稽でしたよ。笑っちゃいました。
で、私が笑うと同時に、この集団は襲い掛かってきました。
何人、いや何百人も殺してきた私が、そんな時代錯誤も甚だしいような集団に負けるとお思いでしょうか?
この前、殺し屋の友人の存在を明かしましたが、まあ彼からはいろんなことを教わりました。
こういう状況への対処法だって、もちろん。
そんなこんなで、その集団は数えるたるところおよそ23人。でもそれだけなら、ここまで時間はかかりません。
問題は、私が出くわした場所の近くに住宅街があったということ。
とてもじゃありませんが、バレます。
彼らも彼らで、奇声を発していましたし。何かに寄生されたんじゃないかってくらい。
というわけで、近くの森にまず逃げ込み、そこでジックリと。
まるでプレデターの気分でしたよ。
でも、それ以上に私には怒りの感情が強かった。
だって、"最後"なんです。
"最後"の火曜日だったんです。
私が彼らに出くわして森に逃げこみ彼らを誘い込んだその辺りに、"最後"の火曜日が死にました。こうして記事を書くことを、死にゆく火曜日に贈る最後の言葉だったのに。まあ確かに、金曜土曜と、そんなことは微塵も書きませんでしたが、火曜日は私にとってはとても馴染み深い曜日でした。
初めて人を殺したあの時は忘れもしない火曜日でした。
そう、それだけ。
たったそれだけなのですが、それだけに思い入れもかなり強かった。今となっては曜日関係なく色々とやってきましたが、それでも火曜日を過ごす時だけはなんだか違う気分になれるのでした。
そんな特別な火曜日。しかも"最後"の火曜日。もう二度と過ごすことはない火曜日。
どんだけ火曜日が好きなんだと思うでしょう。それほどまでに、私は火曜日を愛していたのです。比喩というわけでもなく本当に。
なので、これはいわば弔い合戦のようなものでして。
神聖な火曜日を汚したことに対する、私なりの罰です。
こうして"最後"の水曜日の真っ昼間に物騒なことを書いてきましたが、
どうかご容赦ください。