一日目
私は罪を犯してきました。それはもう、数えきれないくらいには。数えきれないくらいの罪を犯してきながらも、それらの罪を自分なりにカテゴライズしてみれば、不思議な事に七つの種類に分けられるのです。
カテゴライズするにあたって、様々な要素を考慮に入れました。犯罪の形式に始まり、動機、被害を与えた程度等、さまざまなものを。
ある意味、「終わり」へと向かっているのです。
綺麗な終わりを迎えるにあたって、私はこれから罪の告白をしていきます。
どんな罪かと言われると、少々回答に困りますね。カテゴライズしても七種類しか罪を犯していないのですから、大罪人と呼ばれるには値しないでしょう。
さらに言えば、特段頭がずば抜けているわけでも、運動神経が優れているというわけでもありません。交友関係も乏しいです。
強いて言えば、このブログを乗っ取って、記事を書いているぐらいでしょうか。いささか、そういった技術には長けていると自負しています。
単純な話、私の中には悪魔が潜んでいます。
今まで犯してきた罪の、全ての原因が悪魔にあったと、全ての元凶が私の中の悪魔であったと、私はそう言いたいわけです。
非科学的な事象は、今となってはほぼ見向きもされませんが、私のような事例がれっきとして"存在している"ことぐらいは、知ってほしいのです。別に覚えてもらうまではありませんよ。ただ、信じて欲しいだけです。
さて、七種類の罪といえば、やはり連想されるのはキリストのカトリックにおける「七つの大罪」でしょうか。七つ、言えますか? 別に今言っていただかなくても結構。これから私が説明します。私が犯してきた罪というのは、どういう偶然か、この七つの大罪が関係しているように思います。こう思い始めたのは最近ですが、やはり潜在的に、無意識下ではそう考えていたのでしょう。そして私にとってこの七つの大罪は、いわば動機段階に過ぎません。犯罪とは、無差別であれなんであれ、精神病でもない限りは、必ず動機が存在します。みんなそれを明かさないだけなのです。ともすれば、自分自身でも、その動機についてきちんと理解していないかもしれません。「ムシャクシャしたのでやった」とはかなりワンパターンであるまたベターな動機の供述ではありますが、突き詰めればもっと詳しい動機が出てくるはずなのです。それをどうして引き出せないのか。警察連中にはほとほと呆れます。まあ、主観ですが。
私の場合、傲慢があって罪が発生し、色欲があって罪が発生し、と言った感じで、いわば七つの大罪それ自身が私の犯罪目的でありました。暴食だからやった。怠惰だからやった。憤怒したから殺した。そう、殺したのです。私は人を騙し、殺し、脅し、奪いました。ええ、人そのものを奪いました。後に殺しましたが。
始まりは高校時代です。今からおよそ三年前になります。
私は成績上位者でした。まあこの辺で色々と、このブログの読者との価値観の乖離が見られる頃でしょうか。いえ、別にあなたの学歴を馬鹿にしているわけではありません。学歴が良かろうが悪かろうが、それはあってもなくても同じことです。
その時まで私は学年二位の成績保持者でした。当然、一位の人間がいるわけです。それはわかりますね? いえ、決して馬鹿にしているわけでは。
言ってしまえば、そいつが心の底から憎かったのです。
つまりは「嫉妬」。invidiaであり、envyです。
もっと言えば、羨ましかった。
だから殺しました。
そして、私が一位になったのです。
これが始まりです。
ごめんなさい、本当は最後の金曜日である25日からこのことは書きたかったんです。
なぜって、それが本当の本当に、"最後"の金曜日だったから。
もっと言えば、"最後"土曜日すらも儚く消え去りました。悔やむべきことです。時間がない。
だから続けてもう二日分書くことにします。
これは、嫉妬による犯罪を覚えた私の物語です。